iMovie を快適に使うために…マニュアルにない操作など
iMovie は Mac に付属の動画編集ソフトですが、説明されない操作や仕様がいくつかあります。iMovie の意外な自由度を広めたいというのが本稿の趣旨です。
(マニュアルには書いてない、と銘打っておきながらそのうち載るかもしれないし、実は載ってるかもしれません。)環境は OS X El Capitan 10.11.3 と iMovie 10.1.1(執筆時最新版)
再生関係
- Shift+スペースバー…逆再生プレビューができます
- L キー…押すたびにプレビュー再生が2倍、4倍、8倍速とどんどん早くなっていきます。素早いシークに便利。多くの動画編集ソフトと共通。
編集関係
- option + フェードイン・アウトハンドルをドラッグ…通常は動画のフェードイン・フェードアウトハンドルをドラッグすると、開始と終了が同時に動きますが、option キーを押しながら動かすと個別に設定できます。痒い所に手が届く。
- 透過PNGを載せる…透過を維持して画像を載せることができます。KenBurns も使えますし、好きなレイアウトのテキストやテロップが作れます。
番外編:快適な編集のために
家庭用のビデオカメラで撮影すると、MTS といったファイルが出てくることがあります。これらはファイルサイズが肥大しがちで、HDD で編集すると iMovie が落ちる事さえあります。
そこで、事前に HandBrake などを使い、mp4 に変換します。1080p で High Profile というプリイン設定を使っても、175.2MB→50.2MB になりました。フルHDが不要なら 720p にすればよりコンパクトになります。
mp4(H.264, AAC)にしてしまえばハードウェアデコードも確実に効くし、快適に編集できます。僕みたいに安い HDD でHackint(抹消)組んでる人間ならなおさら。
番外編:4K や 60fps の動画を作りたい
iMovie は、最初にタイムラインに置いたビデオのスペックにプロジェクトを設定します。つまり、最初に4Kの動画を一度乗せておけばいいわけです。60fps の場合も同様、最初に 60fps の動画を乗せておくことで解決します。
番外編:Final Cut に敵わないところ
当然 Final Cut の方が高い自由度を持っています。しかし、出来る事と出来ない事をきちんと把握して使えば、iMovie でも色々な動画を作成できます。
- テキストスタイルやエフェクトを後から作って追加できない。Final Cut では、Motion という Apple 版 After Effects を使って、テキストスタイルやモーショングラフィックスのテンプレートを作る事ができます。つまり、オリジナルデザインのテキストテンプレートを Final Cut 上で使いまわせます。対して iMovie はプリセットだけです。凝ったレイアウトを作りたい場合は、毎回透過PNGを作るとか、Motion で毎回作り直す必要があります。出来なくはないけど手間ですね。
- 色の調整がドラッグのみ。iMovie も技術的には高度な色調整機能を持っていますが、数値調整はできませんし、精密にやるのは難しい作りになっています。こちらが iMovie の色調整ツールです。
- DVD / Blu-ray が焼けない。これは一部の向きには辛い仕様で、直接 DVD に焼く手段がありません。ファイルに出力して Burn なり DVDStyler なりで焼いてしまえばいいのですが、直感的とは言えなかったり、バギーだったりします。Final Cut ならメニューから一発です。
- ビデオレイヤーは2つまで。ただしオーディオは乗せ放題です。
以上のように、運用でカバーできる点も多く、Final Cut の必要性を強く感じる場面は少ないです。毎日使うのでなければ十分なことが多いと感じています。
ということで、iMovie、痒いところに手が届かないなあ…と思っている方の参考になれば幸いです。
2016年4月11日