なぜ Raycast がしっくりこないのか
多機能コマンドセンター・ランチャーである Raycast は玄人の間でよく絶賛されていますが、自分にはしっくり決ませんでした。その理由を考えてみます。
なお、この記事は macOS Tahoe で Spotlight が強化された後の世界で書かれています。
前提:Raycast が解決する問題と、トレードオフ
Raycast が解決する問題は、アプリ・コンテキストの切り替えコストです。
Raycast は多数のコマンドを持っており、高速に検索・実行することができます。また、コマンドによっては Raycast ウインドウの中でカスタム UI を表示することも出来るため、例えばこの後の予定を知りたいといったときに calendar と入力して同じウインドウの中で予定を確認できます。
このとき、Raycast はアプリケーション・デスクトップの切り替えというタスクを削減しており、例えば MacBook で多数のデスクトップを作成している場合などに楽になります。
また、作業を切り替える過程で、元々やっていた作業への集中力が削がれる問題も軽減します。
ただし、Raycast にはトレードオフとなりうる部分があります。それはコマンドを入力する必要がある、ということです。代替手段がコマンド入力より楽で高速な場合、Raycast を使うメリットは消滅します。
理由 1:俯瞰型のワークスタイルを取っている
私はほとんどの時間を 42 インチディスプレイに繋げて使っているため、多くのアプリを並べて一覧することができます。この場合、アプリケーションの切り替えコストは元々ゼロであるため、Raycast の方が不利になります。
理由 2:最適な UI を求める趣味がある
目的ごとに、最適な UI は異なります。これを実現するため、様々なアプリが試行錯誤して使いやすい状態を提供しているはずです。コマンド側で Raycast のウインドウにカスタム UI を出せるとは言え、特定の目的のためだけに作られたアプリケーションの UI、動作には敵いません。(人による)
また、現状では多くの場合、専用アプリの方が機能の品質が高い傾向にあると感じられます。
理由 3:何をするにも検索が必要になる
コマンドを探し、実行するという作業は常に必要で、何をするにもオーバーヘッドがあるように感じられます。グローバルキーボードショートカットも設定できますが、連想しやすい組み合わせは既に抑えられていることが多く、これがストレスになります。
Raycast が合いそうなケース
MacBook を本体のみで使っており、使用アプリが多ければ便利に感じるかもしれません。また、ウィジェット、メニューバーアプリ、Dock、他デスクトップなど多くの場所に散らばった機能を探すのが苦痛である場合にも快適になりそうです。
2026年4月2日