Apple Watch と安価なスマートウォッチの違い

Apple Watch を買ったので、数千円程度のスマートウォッチとどう違うのか書いてみたいと思います。友人にうまく説明できなかった経験がこの記事を生みました。

短く言うと

単一の機能が大きく優れているのではなく、色々な部分が少しずつ優れているために、結果として安価なスマートウォッチには戻れなくなりました。QoL 上がります。

機種

Apple Watch Series 9 です。SiP が大きく強化された世代なので買い時のはず。

Apple Watch の良いところ

文字盤の周りに好きなアプリを4つ配置して、情報表示と起動ができる

コンプリケーションと呼ばれている機能です。文字盤によって四隅だったり中央を含んでいたりしますが、アプリからの情報を表示することができます。私はムーブリング、歩数、日付、リマインダーを設定しています。

集中モードの通知フィルタが機能する

iOS には表示するアプリや通知を制限できる集中モードがありますが、他のスマートウォッチでは集中モードで除外した通知も届いてしまいます。Apple Watch では正しく除外されます。

Digital Crown のフィードバックが巧妙

Digital Crown を回す時、画面上のアニメーション速度のカーブと切り替わる瞬間のハプティクスで、あたかも回す重さが変わっているかのように感じます。また、項目を移動するたびにカチッと振動するので、体感的にも操作の結果が分かりやすくなっています。芸術的です。

iPhone のロックを解除してくれる

コロナでマスク着用者が増え、Face ID が使いづらくなった頃に追加された機能ですが、iPhone のロック解除に失敗しても、Apple Watch を着けていれば解除してくれます。普通に Face ID に失敗した時も解除されており、これが地味に便利。ボディブローのように効いてきます。

また、Quest 3 のパススルー越しに iPhone を操作する時でも顔を出したりパスコードを入れたりせずに済みます。ヘッドセットを使う自分のような人にも優しいですね。

iPhone にインストール済みの対応アプリが自動的にインストールされる

Apple Watch が低価格帯のスマートウォッチと異なる点として、アプリをインストールして機能を拡張できる点が挙げられます。iPhone アプリの中に Apple Watch 対応のものがあるという形をとっており、対応アプリをすでに持っていればバックグラウンドで自動的にインストールされます。

iPhone に比べると種類は少ないですが、フィットネス系や家計簿、水分摂取ログ、地図、音楽サービスなど結構色々なアプリがあります。

iOS の標準アプリは大体ある

リマインダーや地図、天気、写真、カレンダーなど iOS の標準アプリは大体最初から入っています。また、情報を見るだけかなと思いきや項目の追加・削除など基本的な機能は大体揃っており、低価格スマートウォッチのノリで考えているとびっくりします。腕の上でマップがぐりぐり動くのを見てすっかり驚きました。

64GB のストレージを積んでいる

そんなにアプリを入れて大丈夫かなと思っていたのですが、64GB のストレージを積んでいるので余裕です。各アプリも Watch 版は 10MB 台のものがほとんどで、全く気にする必要がなさそうです。

参考までに、私の状況を例示します。

めっちゃ速い

速いチップはやはり善。反応が遅いとか起動を待つなんてことが全くありません。

心電図を取れる

心電図を記録することができ、問題が疑われる場合は医療機関への受診を勧めてくれます。命に関わる問題を早期に発見できる可能性があるため安心感が違います。また転倒や心拍数の不自然な動き、交通事故の検出と自動通報といった各種の機能は実際に人命を救っており、命に関わる問題から生還する可能性を高めてくれます。

ただし、あらゆる問題を検出できるわけではないので、疾病の兆候が疑われる場合はアプリの診断結果に関わらず医療機関を受診する必要があります。この記事を見て Apple Watch の能力を過信しても責任は取れません。

口元に近づけるだけで Siri にお願いできる

Apple Watch を口元まで持ち上げてお願いするだけで Siri が対応してくれます。Hey, Siri は要りません。

iPhone のシャッターを切れる。画面も見られる。

Apple Watch の画面がビューファインダーになります。とても便利。

手洗い時間を指示してくれる

手洗いを検出して、あと15秒洗いなさいよと教えてくれます。何も操作しなくても、手を洗っていれば 100% 理解してもらえて誤認識も今のところありません。

常時表示

手首の持ち上げ認識に失敗して時間の確認に手間取ることがありません。これは最近のスマートウォッチでもよくありますけれど。

結局使わなくなった機能

Suica

Apple Watch に移した Suica の通知は iPhone に届きません。Suica の決済通知をタスクとみなして家計簿アプリに入力する運用をしているため、使い方に合いませんでした。

決済履歴自体は iPhone 上でも Watch アプリから確認できます。

PayPay のバーコードを一瞬で出せる

お店のコードを読み取る場合、iPhone に切り替えないといけないのが手間なので使わなくなりました。

Apple Watch の惜しいところ

バッテリーもちが1日ちょい

1日以上はもちますが、2日はもたない感じです。まあお風呂入る時に充電すれば良いのですけど。

割と画面が傷つく

何にぶつけたか忘れましたが、買って1週間の頃には端の方に傷がありました。バッテリーサイクルが早く消費されることを考えても AppleCare+ は必須かも……!

文字盤は微妙

個人的にグッとくるのがありませんでした。

高い

次の買い替えが6年後ならば、総コストは次のようになります。安くはありませんね。

費目 コスト
本体 64,800円
AppleCare+(最初の2年) 11,800円
AppleCare+(残りの4年) 580円 × 48ヶ月 = 27,840円
バッテリー交換 0円
修理1回 9800円
合計 114,240円

まとめ

毎日こまごまとアシストしてくれる感じがとても良いので、また数年後に進化がたまったら買い替えを検討しようと思います。

2023年10月21日