ELF-SR1 で使う Post-Processing Stack

本記事は [ELFちゃん(ELF-SR1) Advent Calendar 2020] 22日目の記事です。

便宜上、本機のことを ELF と呼称します。本記事では、両眼レンダリングを行う ELF-SR1 における Post-Processing Stack の対応状況をまとめます。なお、Forward レンダリングでの状況を扱います。Deferred のことは書いていません。

環境

TL;DR

使える

場合によっては使える

使えない

バッチリ使えるもの

Bloom

両目で見ても問題ありません。

Bloom する雪だるま

Color Grading

これも立体視に依存するもんじゃないので、問題ありません。

Color Grading

Auto Exposure

問題ありません。言ってみれば明るさを変えるだけですものねえ。画像は省略。

Chromatic Aberration

意外と問題ありません。この効果を立体で見るの面白いですね。酔う人はいるかもしれません。

Chromatic Aberration

なんとなく・場合によって使えるもの

Ambient Occlusion

Scalable Ambient Obscurance であれば問題ありません。Multi Scale Volumetric Obscurance では ELF 画面に横縞模様が出てしまいます。

Multi Scale Volumetric Obscurance で発生する横縞

Vignette

周囲をちょっと暗くするみたいな雰囲気用途なら問題ありません。しかし、フチを視認できるところまで強くすると、フチ部分が揃わず視野闘争が起きます。

実機で見ると視差がつらい強めの Vignette

Lens Distortion

ちょっとだけなら良いかもしれません。ただし遠方の視差がおかしくなりやすい問題があります。また、ELF の床・壁部分にモデルが接近していると外が見えちゃうので、離しておく必要があります。

Lens Distortion

Grain

Size を大きめにすれば見えます。ただし、空間に粒子があるわけではないので平面に見えます。それはそう。

Grain

使えないもの

Depth of Field

距離が取れていないのか、Focus Distance をどんな値にしても常に全体がボケてしまいます。ボカしたいんだという場合には使えなくもない。

Depth of Field

Motion Blur

常に全体がボケた状態になります。ボカしたいんだという場合には(略)

Motion Blur

Screen Space Reflections

そもそも Forward では動きませんね。

感想

思ったより動きますね。ELF でもいい感じの画作りやっていきましょう。

2020年12月22日