上海 Maker Carnival 2019 へ行ってきた

上海 Maker Carnival へ参加してきました。私はお誘いいただいて、VR コーナーで個人作品を展示しました。

Maker Carnival とは

Maker Carnival は、STEM 教育製品や Arduino 互換シールドなどを製品に持つ DFRobot さんが主催する、メイカー向けの展示イベント です。メイカーとは、主にハードウェアを作ったり改造して、製品や新しいもの、面白いものを作る個人のことを言います。(と筆者は考えています)

今年は Jiangwan Stadium という体育場の中で開催されました。広大な屋外競技場で、ブース類は中央に集まり、片脇ではドローンレースが行われます。

Jiangwan Stadium

メイカー展示と一口に言っても様々な方向性があり、次のように多くの展示や催しが行われていました。ソフトウェアの世界にいると想像もしないものが多く、いつも刺激をもらえるのがメイカーイベントです。

特に、電動スケートボードは日本人ならお馴染みのスーパーアイテムを想起させることもあり、童心に帰れる展示でした。

ロマンの塊、電動スケボーに乗ったた! 手元のボタンで速度を調整できて使いやすい。東京行く時にはワークショップを開くから、いつでも連絡してよ! と連絡先をもらった。 #上海MakerCarnival pic.twitter.com/rxmbA2IKSs — ゆーと#VRファイルマネージャー (@yutoVR) 2019年10月20日

電動糸鋸
電動スケートボード
テオ・ヤンセン風の乗り物
物理ピースでロジックを組んで遊ぶ AR パズル

日本からの出展者について

日本からもメイカーの方々の出展があり、創造性と遊び心の点で突出しているように見受けられました。また、Rachel のアイデアに乗って、メインステージで皆さんの作品が登場する劇を披露するなど、大変積極的な方々です。

骸骨パペット変幻自在の狐面をはじめ、否応にも興味を引くものばかりでワクワクしました。

日本メイカー勢
日本メイカー勢と Rachel による小劇
Scratch 上の機械学習で踏切が上がる
めちゃめちゃいい動きをする恐竜ロボ

VR 展示エリアについて

私が展示した VR エリアは、会場の中心近くに位置し、メインステージも見られる位置でした。日本からの出展者のみで構成され、Maker Carnival としては目立つ毛色のブースです。

お客さんとしては、同じくメイカーの皆さん、興味を持つ一般の方、そして近隣の学校から来たと思われる生徒の集団が主で、想定していたより広いリテラシー層に向けた展示の仕方が必要でした。この辺は次回に向けての知見が得られた部分です。

また、中国語がわからないため不安な面もありましたが、展示者毎に1人のボランティアスタッフさんが手伝って下さり、皆さん優秀でしたので、安心して任せることも出来ました。

VR ブース
自分のブース

ところで上海について

中国や上海と言えば、一昔前までは治安や住人のモラルが取り沙汰される事も多い印象でした。また、PM2.5 と言った住環境にまつわる報道もあり、躊躇を覚えてしまう場合もあるかと思います。実際のところ、2年前の上海は、日本の多くの環境に比べると、劣悪と言って差し支えない印象がありました。しかし、今回の上海はまるで別の国と思えるほどに大きく改善していました。(下記は一例です)

お釣りを返してもらえない → 現金での支払いを頼むと、わざわざ自分のお財布からお釣りを作ってくれる

店員さんのモチベーションが低い → 遠くのお皿から食事を取ろうとすると、店員さんが近づけてくれる

空気が汚れているため遠くのビルが霞んで見える → 遠くまで見通せるほどに空気が綺麗

皆が苛立っており、我先にと道を進んでいく → 誰もが道を譲ってくれる

東京よりもてなしのレベルが高い場合もあり、喜んで住めるほどの場所になっていました。不安を持っていた方も、勇気を出して行ってみると、隣国の印象を新たにできて面白いですよ。

まとめ

今回 DFRobot の皆さんから感謝の仕方も知り得ない程の歓待を受け、喜びに満ちた自分がいる事を黙っておく道理はないでしょう。皆を楽しませようとしてくれる Rachel の心意気は忘れられるものではなく、自分の姿勢を見直すきっかけにもなりました。

さて、ここまで読んで興味が湧いたら、来年は参加してみましょう。上海自体が上述の通り素晴らしい都市に変貌しており、1度遊びに行く意味でも、Maker Carnival は良いきっかけとなるはずです。そして、DFRobot の皆さんとメイカーたちの情熱を肌で感じたら、次は自分も、と熱を帯びる気持ちに気がつく日もきっと来ることでしょう。

最後に、貴重な機会をくれた Rachel をはじめ、DFRobot の皆さん、お誘い下さった Somelu さん、現場リーダーの松VRさん、一緒に展示をしたこりんさん、野生の男さん、Jack さん、本当にありがとうございました。引き続きお付き合いいただけますと泣いて喜びます。

Chief Drunken Officer より

2019年10月31日